ノウハウ 売上UP施策

売上をあげたいなら、顧客の「実際の声」ではなく「心の声」に答えよう

ノウハウ

皆さんは、こんな言葉を聞いたことあるのではないでしょうか。

「顧客の声を聞こう」

商品を売りたいという人にアドバイスされる言葉です。では次の言葉はどうでしょうか。

「顧客の言うことをばかりを聞いていたら最後には駄目になる」

これも良く耳にする言葉です。どちらも、売上をあげようと苦心する人には良く入ってくる情報ですが、一体どっちが正しいのか。

その答えは、どちらも正しいのですそれは単純に度合いの問題でもありません。両方の言葉には抜けている枕言葉があり、そこが最も重要なポイントなのです。

この記事では、これらの言葉の歯抜けを埋め、解像度をあげて有用な言葉として捉え直せるように解説したいと思います。売上をあげようと苦心されている方の一助になれば幸いです。

「実際の声」と「心の声」の違いを理解しよう

顧客の声というのは、実は2種類あります。

「実際の声」「心の声」です。

まず「実際の声」ですが、字面の通り顧客から直接頂ける言葉やアンケートの回答等が、これに当たります。

いざ、商品(サービス)を提供すると色々な評価を顧客から頂く事になります。

「美味しい」「使いやすい」「綺麗」

美辞麗句で褒めてくれる場合も沢山あるでしょう。一方でそうでない言葉も浴びるのが常です。

「もっと安くして欲しい」「ここを改善して欲しい」「失望した」

残念ながら完璧なものはなく、どんなものでも必ずどこかのポイントで批判の対象になってしまいます。これらのポジティブな言葉、ネガティブな言葉は、どちらも顧客の声であり、売上を上げるために品質向上や改善を行う場合は、これら「実際の声」を元にアイデアを出していくかのが殆どだと思います。

しかし、これらの「実際の声」をそのまま受け止め、その通りに実行すれば良い結果になるでしょうか。多くの方に同じ様な実体験があるかと思いますが、そう簡単な図式が成り立たないのが現実です。

なぜそうなるかと言えば、この声には必ず裏があるからです。それが「心の声」です。

私達が何かを発言する時に、常に本音で話しているでしょうか。NOです。大概は、世間体や相手との関係性に配慮して、直接的に本音を吐露するような場面は少ない。何かしらのオブラートに包まれていて、その中身が見えているパターンが多いのです。これはサービス提供者と顧客という希薄な関係性においても変わりはありません。

言葉が交わされる時、それが全てではないという認識を持つのが肝要です。

例えば、「扇風機が欲しい」といった方がいるとします。この場面で、顧客は何を欲しているでしょうか。「実際の言葉」が扇風機と指定していますが、「心の声」はどうでしょう。

更に解像度をあげていきましょう。扇風機というのは、風を起こす機械で大概は涼を得る為に使われると思います。なので、字面通りであれば、涼しさを目的として扇風機を購入すると理解できます。しかし、顧客の目的は、本当に涼しさなのでしょうか。実はそうではい。涼しさは、望んでいる状態であって「心の声」ではありません。何故涼しい状態が良いかまでを考えないといけません。ここでいうなら涼しい事により、「快適に活動できる」が顧客の目的なのです。

それを考えると、扇風機=涼しさとだけ捉えてしまうと、単純に涼を得られる機能があれば満足してくれると錯覚してしまいます。間違った方向にいけば、大きな風を起こせるような機能を付けてしまうかも知れない。実際は、「快適な活動環境」を望んでいるので、大きな風は音や物理的にも活動の邪魔になり得るし、風に注目する余り大きな筐体になれば、スペースの関係でこれも邪魔になってしまう。逆に快適性を追求するなら、小さくてどの場所でも使い易く、風そのものが邪魔にならない柔らかい送風が実現できるものが、真に要求に答えるものになるのです。

「実際の声」をそのまま聞かず「心の声」に耳を傾けよう

このように顧客は全てを言葉してはくれません。

真に答えるべきは、「心の声」なのです。

そう捉えると、ポジティブな言葉もネガティブな言葉の捉え方も変わってくるでしょう。「美味しい」と評価してもらっても、その「心の声」はどうなんだと冷静に分析すれば、単純に好みの味だったのかも知れません。または、たまたま久しぶりに口にするジャンルだったので、美化されているだけかも知れません。

一方で、「値段が高い」といわれても、それは品質を認めていて普段使いをしたいとの好感の裏返しなのかも知れません。この場合は普段使いし易い価格帯の選択肢を提示してあげれば良いのです。

このように「心の声」を意識すれば顧客の言葉に一喜一憂する必要はないし、全ての声が改善の糸口に変わっていきます。

冒頭の良く使われる言葉は

「顧客の(心の)声を聞こう」

「顧客の(実際の)言うことをばかりを聞いていたら最後には駄目になる」

()内の言葉が歯抜けているだけで、実際は同じ言葉なのです。

良く使われる金言ですら、このように全てを語ってはいないのです。必ず、私達はその真を見抜いた上で顧客と向き合わねばならないのです。

最後にもう一度。売上をあげたいのであれば、「実際の言葉ではなく、心の声を聞こう」です。

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