相手に「こうして欲しい」「ああして欲しい」という時が多々あると思います。集団で活動している我々にとって何かをする時は大抵がチームプレイなので、こういう場面には良く出会います。しかし、会社・友達・恋人など、あらゆる自分の集団行動を思い出して下さい。その殆どは自分の思い通りにならないのが常です。
それは何故か。
自分が望んでいる行動をするような「感情」を相手の中に作れていないからです。
人にお願いする時のありがちな失敗
例えば、私が経営に携わっているお店では良くこんな事が起きます。
・小さいところで作業を省略するなど、マニュアル通りに現場が行動しない
・重要度の高い事項にも関わらず、報告が遅い
マニュアルがあっても慣れてくると、自分なりのやり方が出来てきて、細かい作業などは形骸化したりします。その小さな作業の省略が時には全体の効率を下げたり、無駄なコストを発生させたりするのです。また、経営側にとっては影響度の高い情報であるが、現場にとっては些細な事柄として報告が遅れてしまうなんて事は多々あります。
人に何をお願いする時は、こうした本当に些細な項目で「認識のズレ」が生まれ、そこから結果のズレに繋がっていくのです。どんなにやり方を説明しようと、整った環境があろうと、これにより望まぬ結果が生まれてくるのです。
人は合理性ではなく、感情を優先する
最初の頃は、こうした些細な穴を埋める為に、マニュアルの修正や現場への説明を尽くすなど、「仕組み」の改善でこれを解決しようと奔走していました。しかし、結果は変わりませんでした。勿論、その改善を行った直後は、短期的に効果を見せますが、時間が経つにつれてまた新しい似たような事象に悩まされるのでした。
こうした経験を繰り返す中で、気付きました。
人は感情の生き物だ
どんなに合理的に正しい事でも、人は最後は自分の感情を最優先するのです。それは極当たり前の事柄です。学生時代に勉強を一生懸命するべきと、誰もが頭では分かっています。けれども、それを実行する人は多数ではありません。合理的には勉強する方が己の利益に適うと理解しておきながら、勉強するのは「面倒だ」という感情を優先してしまうのです。
気持ちをつくる環境設計をしよう
それを前提にすると、まず自分が行うべき行動は
相手をその気にさせる環境をつくる
です。
何かこうした行動をして欲しいとあれば、その行動を起こしたくなる様な精神的なインセンティブをつくって、自ずから実行する様な環境作りから始めた方が良い。大層なものである必要もありません。相手がその気になれば良いのです。日頃、相手の相談事にのってあげるとか、ルーティンを問題なくこなしてくれる事を褒めるとか、相手の気持ちに触れて「やる気」を引き出せれば良いのです。
その上で、合理的な「仕組み」の精度をあげていくのです。相手がこちらを向いて、その行動に感情が乗っていれば、多少の不備があっても、自主的に行動に向かってくれます。
まとめ
・人は感情の生き物。合理性より感情を優先する
・やる気を出してもらうのは、仕組みよりコミニケーションが大事
・最後に合理的な「仕組み」作り
コメント